プロ・ゴーストライターが教える自分史の書き方【高齢者・一般人向】
みなさまこんにちは。
当ページへのご訪問。
ありがとうございます。
このページに来られた方は、一般人・高齢者を含めほぼ全員「自伝・自叙伝・自分史・伝記などを書いてみたい」「できればそれを本にしたい」と決意された方だと思います。
すばらしい。
と思います。まずは、その決意に、素直に敬意を表します。
何を隠そう、私はゴーストライターです。ライティング株式会社(京都)のTと申します。メインの仕事は、おもに自伝・自叙伝・自分史執筆と、その後の編集、印刷、書店流通といういわゆる「自費出版」の事業全般に携わってきました。
これまでたくさんの方々のために伝記取材をさせていただき、人生を振り返るお手伝いをし、ゴーストライターとして執筆。さらに自費出版を希望される方には、出版までサポートしてきました。
そこで、たくさんのお客様(高齢者を含め)に出会いました。
その出会いが、私の人生の財産かもしれません。
• 中学・高校教諭
• 経営者
• 普通の主婦
• 職人さん
• 高齢者の方々
• 一般人
このように皆様の経歴は、じつにさまざまです。十人十色。同じ方は一人もおられません。まさに世界に一つだけの花──とは、このことかもしれません。
じつは、私と出会った著者の方のすべてが自伝執筆に成功したわけではありません。途中で挫折した方、出版までは至らなかった著者は意外と多いという印象をもっています。
その印象をもとに「こうしていれば、ゴールまで到達できたのに」という思いを込めて、その方法を「"成功"する自伝の書き方」として、このページでご紹介してみました。
もう一度言います。
自伝を書こうというあなたの思い。情熱。
これは、非常にすばらしい。
かつ、貴重なもの。
だと再認識してください。
ただし、人生を振り返るだけではいけません。
その思いを、ぜひ、原稿という形にしてください。
できれば、本という伝記の形へと昇華させ、残してください。
自分の人生を本にしたいという「意欲」を強くもってください。
そう願い、自分史の書き方として、最も重要だと思われるコツを4つだけに絞り、ご紹介したいと思います。※高齢者の方々の参考になるようにも配慮。
目次
はじめに 自伝出版における成功とは
最初に、みなさんに質問があります。自伝執筆における"成功"とは何でしょうか。
簡単です。
「完成」という意味です。
なぜなら、一般人・高齢者の方々が、自伝を書こうと決意されてから、実際に自伝を書き上げ完成させ、さらに、本の形にして出版する方というのは、ほんの一握りになってしまうからです。
自伝を出したい、書きたいという人は大勢いらっしゃいます。100人いたら20〜30人ぐらいは。でも、実際に書きはじめる人は、その20〜30のうちの5人ぐらい。さらに、完成させるのは、一人いるかいないか、という程度ではないでしょうか。
いくら意気込みが強くとも、自伝というのは少なくとも1万字以上、多い人なら10万字を超えます。原稿用紙換算では、25枚〜250枚。平均では150枚ぐらいでしょうか。
みなさん。学生時代の作文やレポートはいかがでしたか。A4用紙一枚を書くのにも苦労なされた方がほとんどではないでしょうか。
そうです。
文章を書くという行為は、短い文章でもたいへんなのに、長い文章はもっと大変になるのです。人によっては1年以上、書き続けていらっしゃる方もいます。
どれぐらいたいへんなのか。日常的にエクササイズをしていない人が、いきなりマラソンを走るようなもの。だから、多くの人が挫折してしまうが現状なのです。
ですが、マラソンの醍醐味は、ゴールの瞬間。その瞬間、すべてが報われるのです。
自分史の執筆のゴールはどこかと言いますと、それは完成です。そのゴールは、じつに素晴らしい瞬間が待っています。それは、あなたが、マラソンを走り、ゴールした瞬間と同じぐらい、いやそれ以上の感動が待っています。
ここでひとつ質問があります。私たち、ゴーストライターや編集者は、自分史が完成すると、著者の方にお渡しします。そのとき、著者のみなさんはどんな反応をされると思いますか?? じつは......
多くの方が「涙」をながします。
その瞬間に泣かなくても。何日か経って「何度も読み返しました。恥ずかしながら自分のことなのに、素晴らしすぎて、泣いてしまいました...」。
そういう言葉を聞きたくて、長年この仕事をしているといっても過言ではありません。なぜ、泣いてしまうのか。きっと、マラソンのゴール以上の感動があるのでしょう。
多くの方に、感動してもらいたい。多くの方に、涙してもらいたい。
自伝を書くことによって、自叙伝を完成させることによって──そう願っています。自伝完成というゴールに到達するために、必要なことをまとめてみたいと思ったのが、このページを作成した理由です。
他のホームページや、既刊書籍には、いわゆる平均的なテクニックが書かれているはず。文章表現のテクニックなどが中心です。そういうことが知りたい人は、ぜひそちらをご参照ください。参考になることは多いでしょう。
でも。
みなさんの、自伝制作において、一番大切な目的は何でしょうか。それはテクニック論では見つかりません。その「目的」は何か。はっきり言っておきます。
なんとしてもこの自分史を「完成」までもっていくこと!
ですから、これまでのテクニック論とは、違った視点で、違った意見が書かれています。自伝の完成というゴールテープをみなさんに、切っていただくために、です。
「自分はなんとしても、自伝を完成させるんだ」という決意のある人は、どうぞこのまま読み進めてください。
このページで書かれていること一つひとつが、みなさまの自伝完成というゴールまで辿り着く「よきサポート役」となるはずです。
成功のコツ① 美文を書くな!
男性の方の場合、自伝と聞いてすぐに思い浮かぶことがあります。それは日本経済新聞の「私の履歴書」ですね。日本人なら誰でも知っている「超」有名な経営者の方々が、すばらしい文章で、自分の人生を綴っています。
すばらしい美文だと思います。
なぜ「私の履歴書」というものが毎回、毎回、読み応えのある、すばらしい文章になっているのか、不思議に思ったことはありませんか。それは、多くの場合、編集の段階で「プロの手」が入っているからです。日経新聞のような超大手新聞の場合、編集と校正をふくめ、10名以上の人が、赤ペンを入れているとご想像ください。
すると、さいごには、まるで本人のものではない、まったくの別人の文章にブラッシュアップされていると言っても過言ではありません(笑)。プロが10人以上、寄ってたかって、いい文章になるよう努力するのですから、そうなって、当然ですよね。
でも。
みなさんは違います。誰の助けも借りられません。プロの編集者も校正者の助けも借りれません。まずは、よき出版社、よき編集者に出会うまで、ご自身でひとり孤独に原稿用紙(もしくはワープロ画面)に向き合う日々を送らねばならないのですから......
なにが言いたいのかといいますと、美文を書こうと思うあまり「手をとめてはいけない」ということです。とにかく、書きなぐってください。手を止めてはいけません。朝から晩まで。暇さえあれば、原稿用紙やメモ用紙に書き付ける。字も汚くてもいいです。とにかく、書きまくる。書きまくるのです。
書くという行為を止めないことが、成功への第一歩などです。
止めたら終わりです。趣味のマラソンランナーの目的の多くは完走。走るのをやめたらそこで終わり。目的は果たせない。その瞬間「途中棄権」がきまります。
プロのマラソンランナーのフォームは、みな軽やかで美しいです。芸術的ともいえます。素人は、フォームを気にしてはいけません。とにかく根性ではしる。いくら苦しくとも。走るのを辞めたらそれで終わり。とにかく、書く手をとめない、これがもっとも大切な概念なのです。
別の例にたとえます。
最近、最後まであなたが読み終えた本を一冊だけ、想像してみてください。小説でも、ノンフィクションでも、実用書でも、なんでもいい。どんな時、どこで読んでましたか?リビングでも、電車に乗っても、トイレに入っても、寸暇(すんか)を惜(お)しんで読んでいたはずです。
本を読むというのは、そういう行為です。場所と時間を選ばないんです。
本を書くというのも、そういう行為です。時間と場所を選ばない。
とにかく書き続ける!
そのスピード感とエネルギーが、文章に伝わるのです。どうしても、まとめるという行為をしたければ、原稿用紙の量で、最低でも100枚を超えてから、かもしれません。
ちなみに、まとめるという行為は「編集」といいます。契約する出版社にまとめてドサッと渡してまかせることも、できますね。「私の字はヘタだ。解読できるだろうか」という心配は無用。出版社の編集者は、慣れています。たいていの文字は、判読できます(笑)
成功のコツ② 事実の羅列ばかりするな!
自伝をはじめて書くという方は、箇条書きに近い文章になってしまう傾向があります。箇条書きでは単なる日記です。誰も、最後まで読んでくれないでしょう。
とある方の自伝を例に挙げます。
初心者の例
A高校に進学した。A高校では、航空部に所属した。
普段は高校のグラウンドで練習していた。
だが、飛行場で練習できるときもあった。
お金がある高校のクラブは、エンジン付きの飛行機が、上空まで引っ張っていき離す、という仕組みがメインであるが、我が部の予算では無理である。
そこで私達が代わりに使ったのがゴムである。
長いゴムを2方向に取り付け、左右8人ずつで引っ張り、離陸させるのだ。
これが初心者によくある事実の羅列例ですね。(笑)
プロが書くとこうなります。
プロの例
A高校に進学した。A高校は、難関高校として、地元では有名だった。
大阪府の南半分一帯から、各中学校のクラスで1番頭の良い子が集まるような学校である。英語教育に特に力を入れており、卒業生の進路は関関同立が平均レベルで、毎年東大1人、京大20人、阪大20人と、多数の国立難関大合格者を輩出していた。
A高校では、航空部に所属した。
普段は高校のグラウンドで練習していた。
だが、飛行場で練習できるときもあった。
飛行場では楽しい思い出がある。
お金がある高校のクラブは、エンジン付きの飛行機が、上空まで引っ張っていき離す、という仕組みがメインであるが、我が部の予算では無理である。
そこで私達が代わりに使ったのが何か。
ゴムである。
長いゴムを2方向に取り付け、左右8人ずつで引っ張り、離陸させるのだ。
解説
いかがでしょうか。まったく違う文章に生まれ変わったような印象を受けませんか。赤下線部分は、取材をして補いました。ご自身が書くと、自慢みたいだといって書こうとしません。ですが、どんな高校なのか、おおよそ概説ぐらい把握していないと余計に興味がなくなってくるから、しっかりと補っておくべきなのです。
青線部分は、感情の表現を入れてみました。
楽しい、嬉しい、悔しい、苦しい。。。。
そういった喜怒哀楽の感情を伝えないと、文章自体が、平らな板のようになってしまい、読者は共感のしようがありません。
あるイベントに対して、どのように思ったのかをしっかりと補足するべきなのです。
黄色下線部分は「タメ」をつくりました。あえてすぐに答えをいわずに、引っ張るというテクニックです。そうすることによって、読者に「あれ?なんだろう」という疑問をいだかせ、読み進めたい気持ちをあおるのです。
テレビ番組でよくある「解答は、CMのあと」というやつですね。結果として長く見続けてしまう、長く読み続けさせてしまうのです。大事なことはすぐに言わないのも大事なテクニックなのです。
成功のコツ② 架空の○○を想定せよ!
自伝は、伝記であり、その人の歴史です。ですから、時間の経過どおり、時系列に沿って書いていくというのが、平均的な書き方となります。最後に自伝が本の形になって出来上がったときもそうなっているはずです。
でも。
幼少時、小中高等学校、大学、初就職した会社での出来事......どうでしょうか。想像しただけで、ちょっと「......」となりませんか。何の脈絡もなく、時系列で自分のことを書いていくというのは、もともとつまらない行為なのです。
「話す」という行為に置き換えてみると、つまらなさが、よくわかります。電車のなかで、自分のことを、独りでいつまでもブツブツつぶやいて、独り言を言っているひとを見かけたことはありませんか。何やら、おかしな人だなあ、と思われたのではないでしょうか。
おもわず「自分には関係がない」と無視を決め込んだ経験がおありかも。
でも、自伝を書くという行為は、それそのものです。自分で独り言を言っているのを、ひとりで、セコセコと文章にしなければならないのです。書いている自分が退屈しそうです。自分で自分のことを書くのは、面白くないのです。まるで苦行のようなもの、かもしれません。
逆に、です。
男性なら「お姉さん」のいる店に行き、お姉さん相手に、自慢話をしていると想像してみてください。いくら話しても、話題がつきぬことでしょう。あなたの真横で「えー! すごーい。」とか言われれば「よーし、延長だ!」とおもわず追加料金を払ってしまう方も出てこられることでしょう(笑)。
女性でも、旧友や親友など、気の合う者同士のおしゃべりや、井戸端会議を想像してみてください。話題がつきぬことでしょう。そんなおしゃべり好きの女性でも、いくらなんでも、自宅でひとりで延々とおしゃべりする女性はいないはずです。
ところで。
ブログ、Facebook、Twitterなどは、文章を書くという行為ですが、これらにはまっているひとは一定数いらっしゃいます。どうして「文章を書く」という行為にはまってしまうのでしょうか。「独り言」には違いないのに。
それは「読者」「閲覧者」からの反応が期待できるからです。「ある」とわかっているからです。「いいね!」をもらえるから、なんですね。さきほどの延長した男性の例もそうですね。横でお姉さんが「うん。うん。そうだね」とうなずいてくれるからです。
自分の行為に対しての反応は、心理学では「報酬」と呼ばれています。「報酬」があるからこそ、その行為をすることができるのです。ただ、多くの場合、自伝の執筆という行為に、報酬は伴いません。
別の角度からも考えてみましょう。
枕草子の清少納言が、なぜあの時代に、独り言のつぶやきのような「長編」を書けたのでしょうか。随筆や日記というのは、いってみれば、独り言ですよね。もちろん、現代のように「いいね!」のボタンがありません。
それは、すでに「架空の読者」がいたからです。当時の右大臣の○○卿、関白摂政の藤原○○さん、から頼まれたのか、あとでたまたま読者になったのかは、不明です。
でも、書いているときに、読者を想像していたから、長編ができたとみるのが正解だとおもいます。書いたあと「おお〜。清少納言よ。おもしろいじゃない。もっと書いてくれ。続きを読んでみたい」という偉い人が、そういう読者が、現実に存在したからこそ、書いたと思うのです。
それは清少納言が、尊敬していた人物かもしれません。恋人かもしれません。とにかく、その読者のために、書いたと考えるのが正解です。
つまり。
あなたも同じです。本来、独り言に終始してしまう自伝の執筆というさびしい行為は「読者」さえ想定できれば、いくら長くとも、マラソンと同じくらいつらい道のりであろうとも、はじめての自伝挑戦でも、書けてしまうのです。
読者が想定できさえ、すれば、です。
成功のコツ③ たった一人に向けて書くべし!
では、実際に、どういう人を「架空の読者」として想定すればいいのでしょうか。人数は、何人ぐらいが適当でしょうか。2人。3人。それとも100人?!悩む必要はありません。そんなに難しくないことです。
みなさんの自伝を、一番、読んでほしい人を、一人だけ、想像してください。
一人で、いいです。
家族でもいい、友人でもいい、会社の部下でもいい。本ができあがったとき、一番、読んでほしい人......。その人を架空の読者に設定します。そして、つぎが大事です。その人「だけ」を意識して、書き進めていくのです。その人「だけ」に、読んでもらうために。
すると、あらあら不思議。まったく、苦にならないじゃないですか!あれだけしんどかった作業が。ウソのようです。こればかりは、経験してみないとわからないと思います。多くの場合、自伝を読んでほしい人は、身近な存在だと思います。息子さん、娘さん、会社の後継者、親族、などなどです。
そのなかで、自分の想いを聞いてほしい、これだけは家訓として伝えておきたい、というように、その人を想像すると、強い思いが湧いてくる人を、ひとりだけ選択するのです。
文章の読み手をたった一人に絞っていいのだろうか。文章とは、多くの読み手を想像して、書くものではないだろうか。みなさんには、そういう疑問がふつふつと湧いてきているはずです。それは間違いではありません。間違いではありませんが「高等テクニック」の部類にはいっています。初心者には、ちょっと難しいです。
野球のピッチャーにたとえてみましょう。いちばん簡単なのは、ストレートのボールを投げることです。素人の人でも、投げれば、その球の種類は、ストレートですね。では、高速スライダーやツーシームはどうでしょうか。一般人には、ムリですよね。大谷選手や、ダルビッシュ有選手なら、可能でしょうね。
たくさんの読み手を意識して書く。それは、簡単なようで難しいことなのです。
もちろん、私たちプロのゴーストライターなら可能かもしれません。さらにいうなら、プロの作家のなかでも、東野圭吾や、池井戸潤といったレベルでないとムリかも知れません。
なぜか。
大衆という曖昧模糊(あいまいもこ)な存在にむけて、さらにその深層心理の、ニーズをくみ取って書くんですよ。そんなこと、普通、できますかいな(笑)。
プロの作家たちも、自分が東野圭吾や池井戸潤のまねをできないことは、重々承知しています。そういう人たちは、どうするか。同じテクニックを使います。
一人にむけて書くのです。
「ビジネスマンの父から娘への25通の手紙」城山三郎訳 1988年
「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」ヤニス・バルファキス著 2019年
などは、よく知られています。それぞれ100万部、20万部のベストセラーになっています。身内の、身近なひとの一人に絞って書く。そういう行為は、場合によっては「ベストセラー」になってしまうほどの可能性を秘めているのです。
成功のコツ④ まず○○を探してこよう!
近年、記憶のメカニズムが、科学的に明らかになってきました。ひとつのイベントに対して、ひとつのエピソードしか、記憶しかできない、ということだそうです。ときが経てばたつほど、その傾向は強くなります。
たとえば、会社に入社してからの出来事は、たくさん覚えている思います。でも、学生時代より前の記憶、小学校4年生の記憶はどうでしょうか。幼稚園の年中組の記憶は、どうでしょうか。小学校4年生の記憶として「1つ」以上、思い出せるひとは、きわめて稀です。
最近の研究では、被験者の学生に、秋になってから「夏休みに何をした?」という質問に対して、1つ以上を答えられる人はほとんどいないそうです。せいぜい「旅行にいった」「泳ぎにいった」というぐらいです。
もちろん、10個以上答えられる人もいます。でも、そんな人でも、5年、10年経つと、○○年度の夏休みにしたことを、1つ以上答えることは、ほとんどできないのです。みなさんも、そうだと思います。10年、20年、30年前の夏に、自分は何をやったか、なんて覚えているはずがないのです。たとえ、そのときは忘れがたいと思った、重要なイベントでも、です。
記憶をたぐりよせる簡単な方法があります。
「写真」です。
昔の写真をできるだけ、多く、集めてきてください。押し入れの隅に眠っているはずです。昔の写真でも、プリントされたものなら、1995.2.6というように、日時がプリントされたものも、多いです。
「ああ。あのとき撮ったものだ。」
と忘れていた記憶が簡単に蘇ってきます。するとさらに不思議なことが起こります。その前後2〜3年の記憶も蘇ってくるのです。そのメカニズムも、解明されています。記憶はストーリーになっているそうです。数珠つなぎ状態だということですね。数珠の球をひとつだけ、取ることはできません。ひとつだけつまみだそうとすると、前後10個以上の玉もついてくる。一つ取り出せば、いっしょに周りの記憶が想起されるというのが、脳の仕組みなのです。
「ふつうの自伝には、最終的に、写真は載せるはず。"写真を探してこよう!"なんてコツでもなんでもない」
という意見をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。自伝本には、最終的に、何枚か代表的なエピソードの写真を載ります。ただ、その写真を探す「タイミング」が重要なのです。
普通の編集担当者は、文章がだいたい仕上がった。そのタイミングで、写真を探してくださいと、著者にお願いしたりします。これがよくない。遅い。遅すぎるのです。
たいていの著者は文章ができあがった段階で、写真を探しはじめます。それで見つかったものを眺めながら、あんなこともあった、こんなこともあったと、記憶が数珠つなぎになってでてくることに驚きます。
そこで、もう少し、書き足したいのだけど、間に合うだろうか。と担当者にお願いすると「......」と渋い顔をされます。もう、ページの構成はほぼできあがっていて、いまからだとレイアウトを大幅に変えなくてはならないので、諦めてもらえますか、とお願いされてしまうことが多々あるのです。人生でたった一度きり、一冊の本、なのにあまりに残念な結果といえるでしょう。
もうお分かりですね。写真を探し出すタイミングが重要なのです。書き始め、もしくは、書こうと思った直後から。そう「今」です。写真は後から探せば良い。それはウソなのです。
もし、皆さんがもうすでに自伝を書き始めている方であれば「今」探しはじめてください。あとになって、いいことなど、ありません。記憶が、どんどん、薄くなっていくだけです。「いま」写真をさがしてください。忘れていたエピソードがどんどん、数珠つなぎのように、頭の中に蘇ってくるはず。
その記憶が鮮明なうちに、ノートに鉛筆を走らせてください。ワープロのキーボードを叩いてください。字など多少、汚くてもいいです。殴り書きでいいです。ワープロなら、多少の打ち込みミス、変換ミスなどおかまいなし。記憶があぶれでるままに、思いつくままに、記録しておいてください。
自伝の書き始めに写真を探して「昔」「過去」を思い出す。それは、自伝を成功させるもっとも大切なコツのひとつといえます。
よくあるご質問
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契約、取材、執筆、編集、印刷、完成までワンストップサービスで、お引き受けできます。費用は執筆から印刷まで平均100万~200万円です。「ご希望の」本の体裁、ページ数、部数の3つをお知らせください。即お見積もりが可能です。なお、詳しくは自伝・自叙伝・自分史出版の専用ページ をご覧ください。より詳しく説明しております。
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可能です。当社には90歳ほどのお客様の取材をさせていただく機会もございます。なお、付き添いの方を1名お願いできれば助かります。
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全国対応可能です。当社には北海道から沖縄県までのお客様からのご依頼があります。初回打ち合わせは旅費、取材日当無料となります。お気軽にご相談ください。
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平均1〜5日です。ご高齢の場合、いちどのたくさんの時間取材することはおすすめできません。1回あたり2~3時間を、何回かに分けての取材をお勧めします。また、可能であればご家族に同席していただき、ご本人の記憶のサポートを依頼する場合があります。
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リライトという作業になります。当社にご連絡いただき原稿をおみせください。その完成度によって正確なお見積もりが可能です。内容にもよりますが、新規費用の半額ほどの料金が標準です。
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可能です。資料をおみせください。崩し字を解読できるスタッフもおります。
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本文に入れたい写真や資料などがありましたら、遠慮なくおっしゃってください。
可能な限りすべて、編集時に挿入していきます。追加費用はかかりません。 -
およそ5〜6カ月です。文章量によって変動します。記念日などでお急ぎの場合は、ご相談ください。特急プランがあります。
まとめ
最後に、私たち、ライティング株式会社のご紹介をします。自伝・自叙伝の自費出版の候補先として検討していただけたら幸いです。
当社は、京都市を拠点とする、日本で唯一の「ゴーストライター専門」の会社です。小さな会社ですが、「本づくりが好き」「お客様のお話をお聞きするのが楽しい」「推敲を重ねてよりよい文章を書きたい」という、意欲のある優秀なライターを揃え、日々、スキルの研鑽にいそしんでいます。そして、「適正価格」「高品質」「丁寧な本作り」を大事にしています。
さいごに。
ここまで、自伝の書き方、をいくつかまとめてみました。「書き方」ですから、文章表現のテクニックを中心に語られていくだろうという皆様の予想は大きく裏切られた形になったかもしれません。
でも。
ここに書かれた数個のコツを実践していただくと、その効果のほどの大きさを必ず実感いただくことができます。あとは実践あるのみ。やるしかありません。ぜひ、このうちの1つだけでも試してみてくださいね。
必ず最後まで、書き通すことができると思います。そして、その体験は、きっとあなたが生涯忘れえぬぐらい、貴重なものになるでしょう。
ところで。
多くの人の場合、自伝を書くのには、最低で6ヶ月、筆が遅ければ1年以上かかってしまう人がいらっしゃいます。そうなると困る人がいらっしゃるはずです。
「60歳のお祝いに、家族に渡したい」「77歳の喜寿までに、間に合わせたい」というように、自伝出版の日時が決まっていたり「がんばったけど、疲れてきた。代筆をお願いできないだろうか」「いろいろ思い出したけど、全字数で1万字ぐらいかな。本にすると薄い。自伝なのでもうすこし文章量を増やし、分厚い本にしたい」など、いろいろな要望があると思います。
そのようなときは、私たちゴーストライターを中心に運営されているライティング株式会社にご相談ください。
現状の原稿などを拝見し、当社が今後かかわるとなると、どのような作業が行われるか、完成予定時期、見積もりなど、すべてを明確にしたうえで、一人ひとりのお客様に対し、オリジナルのプランをご提案させていただきます。
ここまで読んでいただいた皆さん。自伝執筆はほんとうにたいへんな作業です。ゴーストライターや、編集者にまかせるのは、ある意味、当然のこと。
そんなみなさまのお力になりたい。完成という瞬間に立ち合い、喜びを分かち合いたい。私たちはそう願っています。皆様とご縁があることを、期待しています。
さらに詳しい説明を知りたい方は、以下をご参照ください。
https://www.publishing-house.jp/jibunsi-s.html
完成までの「8つのステップ」
第1ステップ
「お問い合わせ・お申し込み」
- 御電話(075-467-8500)
- お問い合わせフォーム(ページ最下部)
のいずれかの方法で、自伝代筆を希望する旨をご連絡ください。 担当者に「ご希望の文字数」をお教えくださいませ。
※出版までご希望の場合「印刷部数」をお知らせください。
※御電話ならその場でおおよその見積額をお教えします。
第2ステップ
「見積書のご提出」
見積額は、文字数(原稿枚数・ページ数)と取材回数に比例します。文字数が不明な場合は、担当者にご相談ください。ご予算に対応可能な文字数をお教えします。文字数決定後、見積書および契約書を作成します。見積書と契約書、両方の内容をじっくりとご確認ください。その後、担当者がご自宅への訪問日程を調整します。
※見積書の送付時に、当社刊行のサンプル書籍を同封いたします。ゴーストライターの技量、文章の品質、本のデザイン、印刷製本の品質、などをご確認いただけます。
第3ステップ
「ご契約」
見積書・契約書にご納得いただけましたら、担当編集者とゴーストライターの二名でご自宅に訪問します。当日は見積書・契約書の疑問点については担当編集者におたずねください。執筆上のご要望などはゴーストライターにお聞かせください。
担当編集者と担当ライターの2名に実際にご面談いただいた上での「ご契約」となります。契約を迫ることはありません。お客様ご自身の判断となりますのでご安心ください。
※初回訪問時の旅費は当社負担。
※当社事務所(京都)にてのご契約も可能。
第4ステップ 「取材」
契約後、初回取材をスタートします。1回あたりの取材時間は3時間程度になります。書きためた原稿、資料、お写真などがございましたら担当者にお見せください。それをもとに質問をします。その質問にお答えいただくだけでかまいません。年齢や体力にもよりますが、短い自伝であれば1〜2回(長いものは5回)程度の取材日数となります。
※契約後の同日取材は交通費と取材日当(2万円)が発生しません。無料ですので、ぜひご活用ください。
第5ステップ 「執筆」
取材内容をもとに担当ライターが執筆を開始します。当社の得意分野です。ただ事実を羅列していくだけでなく、当時のお客様の気持ちをうまく文章に表現するように努めています。取材終了から3ヶ月後に一回目の原稿を提出します(仮原稿)。
第6ステップ 「校正」
お客様に「仮原稿」をご提出します。事実の誤り、微妙なニュアンスの違いなど、校正紙をじっくり読み込んだ上で、お直しの希望点に赤字をいれてください(初回校正)。担当スタッフはその修正指示のもとに反映作業に入らせていただきます。お客様は「修正点」がなおっているかどうか、最終確認できますので(第2回校正)、合計2回の修正・確認の機会がございます。
なお、お客様の校正作業と同時並行で、当社の社内校正者が、内容の事実確認や文法の誤り、誤字脱字など、複数人で作業をしています。また、この段階で、写真や図版の挿入、表紙デザインの決定なども同時におこないます。
※オリジナルの挿絵をご用意することもできます。
※表紙デザイン(装幀)は、お客様のご要望に沿ったデザイン案をご提案します。
第7ステップ 「印刷・製本」
原稿が仕上がれば、そのデータを弊社提携の印刷工場に入稿。印刷・製本を経て、本が完成します。完成後速やかに、お客様のお手元にお届けします。できあがった本を手にする喜びは、格別のものがあるはずです。
第8ステップ 「書店販売」
書店販売をご希望の場合、全国の書店に配本します。100坪以上の、大型書店が中心になります。ネット上では、amazon や紀伊國屋書店、三省堂、楽天ブックスをはじめとする主要ネット書店で販売します。