経営者団体(青年会議所、ライオンズクラブ、ロータリークラブなど)に所属していらっしゃる方で、突然スピーチをしなければならなくなった方向けのページです。
普段朝礼のスピーチなどで、社員に対しては話し慣れているとしても、他の何十人の経営者が見ている中で自分が話す、という状況にハードルの高さを感じられる方がほとんどではないでしょうか。
「インターネットで検索しても朝礼のページがほとんど」
「時間がないからAIにそれっぽいの作ってもらおう」
そもそも経営者は多忙であり、スピーチ原稿の内容を考える時間を割くこと自体が困難な方もいらっしゃることでしょう。確かにAIに丸投げすれば一応そつない内容を話すことはできますが、それはありふれた表現や一般化された表現が多いため、人の心に響くような原稿は出てこないと思います。
最初のたたき台としてAIを使用するのは良いと思いますが、そこに手を加えることでより力強いスピーチが作れるポイントが存在します。
「AIが作るものよりクオリティがほしい」
「せっかくだから人の印象に残るような話がしたい」
と思った方は、ぜひこのページを読んでみてください。文章専用の資格を所持したプロゴーストライター集団の、よりさらに一歩踏み込んだ品質のスピーチを書くコツがわかります。
目次
- 経営者スピーチで書くべき内容は、この5つに分けられる
- 挨拶と感謝
- 経済状況もしくは業界の状況
- 所属団体の状況&目標(具体的)
- これからの展望・意気込み(抽象的)
- 結びの挨拶
- 補足説明
- 例文の掲載2例
- スピーチ例1:中規模団体(青年会議所)|経営方針発表会での年頭スピーチ
- スピーチ例2:大企業・上場企業|同業種団体向け挨拶
- よくあるご質問
- まとめ
経営者スピーチで書くべき内容は、この5つに分けられる
基本的にこの5つで説明できます。
- 挨拶と感謝
- 経済状況もしくは業界の状況
- 所属団体の状況&目標(具体的)
- これからの展望・意気込み(抽象的)
- 結びの挨拶
それぞれ詳しく見ていきましょう。
経営者スピーチのポイント①挨拶と感謝
まず来てくださる方への挨拶は欠かせません。忙しい所わざわざ来ていただき、時間を割いてくれている、ということに対する感謝を述べましょう。
また、来賓として、社会的立場のある方がいらっしゃることがあると思います。(市長や知事、政治家や芸能人など)こうした方々がいらっしゃる場合はここで紹介しておくことが多いです。
司会の方や責任者に事前に確認しておきましょう。
経営者スピーチのポイント②経済状況
雰囲気作り、話の導入として大事な部分です。大きい話から、より具体的な話へと持って行くことは、スピーチの基本です。しかし、時と場合によって、その大きさをある程度調節することは必要です。例えば、地域経営者団体のスピーチの時に、『地球環境問題』の話から始めるのは、聴衆からすると「話が大きすぎる」ととられかねません。"この人とは価値観がずれている"と思われると、そこで人は真面目に聞く気をなくしてしまいます。この場合は、せめて日本国内の話であったり、県内の話といった規模感が適切でしょう。
経営者スピーチのポイント③所属団体の状況&目標
ここが話の内容の中核を担っています。まず所属団体の事業内容を、聴衆が知っているかどうかで、説明の必要の有無が変わります。すでに知っている人にそこを説明する必要はありません。
次に、先に述べた経済状況を鑑みて、事業をどのように改良し、軌道に乗せた、もしくは乗せるのか。そして、これからの目標を具体的に書きます。前年度比105%の会員数増加を目指す、などです。
経営者スピーチのポイント④これからの展望
③の目標と違うのは、具体的なのか、抽象的かです。ここでは抽象度を高くします。「笑顔あふれるまちを皆で創り上げていきましょう」といった表現が好まれます。意気込みであったり、会社やグループの理念と絡ませてもいいですね。
経営者スピーチのポイント⑤最後の挨拶
最初ほど丁寧にする必要はありません。「皆様のご多幸をお祈り申し上げ、挨拶に代えさせていただきます。」といった程度で十分です。
補足説明
1.スピーチは「形式」ではなく「組織全体のビジョン」
スピーチ=「ただの全体向け挨拶」ではありません。
組織全体の方向性を共有し、メンバーに安心感と期待感を与え、士気を高めるための「組織全体のビジョン」として、大きな意味を持ちます。
「どんな未来を描いているのか」を率直に伝える場として活用しましょう。
- スピーチ内容は「前年の状況」に合わせて変える
前年の実績や出来事に応じて、話す内容のトーンや構成も調整することが重要です。
- 業績が良かった年は:成果への感謝と、さらなる挑戦の呼びかけ
- 苦しい年だった場合は:努力へのねぎらいと、立て直しへの覚悟を語る
このように、組織の空気感に寄り添ったスピーチが、社員の共感を得る第一歩となります。
- メンバーとの「距離感」を意識した語り口を選ぶ
経営者が一方的に話すだけでは、聞いている人の心に届きません。
「我々」「ともに」「一緒に」といった言葉を選ぶことで、共に進む姿勢が伝わります。
また、トップダウンではなく、寄り添う視点を持つことで、「自分たちのためのスピーチだ」と一体感が出てきます。
- スピーチは短く、印象的にまとめる
長いスピーチは集中力を削ぎ、印象が薄くなりがちです。
目安は5分以内、文字数で800〜1,000字程度。
その中に必要な要素を整理し、繰り返しやフレーズの工夫で印象的に仕上げることが効果的です。
- 所属団体に合わせて語り口を工夫する
- 伝統的・堅実な業界 → 誠実さや責任感を強調
- 柔軟性を重んじる業界 → 創造性やチャレンジ精神を打ち出す
聞き手が「自分たちらしさ」を感じられる言葉を選ぶことが、スピーチの説得力を高めます。
単語の言い回しに関しても、その団体独特の文化が反映されていることがあるので、そこを意識するとより「その団体らしさ」が出ます。
例)青年会議所なら町→まち 祭り→まつり 経営者→メンバー、リーダー など
例文の掲載2例
スピーチ例1:中規模団体(青年会議所)|経営方針発表会での年頭スピーチ
本日はお忙しい中、ご出席いただきありがとうございます。まちを支える当事者として共に集えることを、大変うれしく思います。また、本日はご来賓として●●市長にお越しいただいております。
さて、昨今の経済環境を振り返りますと、日本の一人あたりGDPが主要国の中で低い水準にあるとの報道もありました。世界との競争がますます厳しくなるなか、私たちは「いかに成長を続けるか」「いかに地域や社会に貢献していくか」という課題に、改めて真剣に向き合う必要があると感じております。
そのような状況のなかで、私ども青年会議所は、まちの発展と次世代の人材育成を目的に活動してまいりました。昨年は、中小企業支援や若手リーダーの学びの場を提供するセミナーを開催し、また子どもたちに向けたキャリア教育やまつりなどの地域イベントを通じ、将来を担う人材づくりにも力を入れてまいりました。「よりよいまちづくりをしたい」という同じ志のもと、業種の枠を超えてリーダーが集まり、それぞれの強みを活かし合いながら新しい価値を生み出すことこそ、青年会議所の大きな使命だと考えております。
また、人口減少や人材不足といった社会課題に対応するため、デジタル技術の導入や異業種連携を促す取り組みも進めています。例えば、青年会議所ならではのネットワークの活用、また強化によって、新たな雇用や事業機会の創出につながる事例も生まれており、前年と比較して、雇用率が105%と、目に見える結果として結実しつつあります。こうした動きは、私たちだけでなく、すべての地域経営者にとって共通の課題解決につながるものであると考えております。
本年も引き続き、まちの発展と次世代への責任を胸に、多くの方々と力を合わせて活動を展開してまいります。皆さまと共に切磋琢磨しながら、よりよいまちを創り上げて参りましょう。
最後になりますが、皆さまのご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
スピーチ例2:大企業・上場企業|同業種団体向け挨拶
皆さま、新年あけましておめでとうございます。新たな年を迎えられたこと、心よりお慶び申し上げます。
本日はお忙しいなか、新年会にご出席いただきありがとうございます。日頃より弊社の取り組みにご協力くださっている地域・関係各所の皆さまに、改めて厚く御礼申し上げます。こうして顔を合わせてお話しできる機会は久しぶりであり、大変嬉しく思っております。
さて、経済全体の動向に目を向けますと、昨年末、日本の一人あたりGDPが主要国のなかでも下位にあるとの報道があり、多くの方が驚かれたかと思います。私たちもまた、この現状を重く受け止め、いかに企業として成長を続けるか、改めて自問する年となりました。
弊社の事業は、大きく二つの柱で成り立っております。一つは業務用ユニフォームやエプロンなどのケータリングウェア分野、もう一つが美容業界向けのビューティウェア分野です。大規模生産から少量オーダーまで即応し、高品質・短納期を実現する体制を整えてまいりました。
まず、前者のケータリングウェアについては、コロナ禍により大きな打撃を受け、一時は生産体制を大幅に見直す必要がありました。そうした状況を受け、弊社では主要製品の一部を海外工場に移し、生産拠点の再構築を進めました。現在ではフィリピンの新工場にて、複数の主力製品が安定稼働しており、将来的には製品ラインナップのさらなる拡充も視野に入れています。一方で、品質や対応力が求められる製品については国内生産を維持し、これまで通り、皆さまのご協力のもとで丁寧なものづくりを続けてまいります。
次に、もう一つの柱であるビューティウェア分野では、アフターコロナに対応すべく、衛生・機能面での革新を図ってまいりました。抗菌、静電気防止、防水、防臭といった機能を備えた新素材を開発し、全商品に段階的に導入することで、清潔かつ快適な製品へと進化させました。お客様の肌に直接触れる部分には必ずこの素材を用い、使う方の安心・安全に寄り添う姿勢を徹底しています。昨年の国際展示会でも注目を集め、海外からの商談も増えていることから、今後は国内に加え、再び海外市場への挑戦を本格化させる方針です。
また、将来の労働力不足に備え、自動化にも積極的に取り組んでおります。現在、業務用ユニフォームの縫製を担うロボットの開発を進めており、一部の企業と実証試験を行っております。本格導入には時間を要しますが、近い将来、皆さまの業務を支える存在になってくれるものと期待しております。
本年、弊社は創業60年の節目を迎えます。これは人にたとえるならば還暦にあたり、新たなスタート地点でもあります。原点を振り返り、関係者の皆さまの声に真摯に耳を傾けながら、次の60年に向けた新たな一歩を踏み出してまいります。「品質と工夫」を合言葉に、「つくる人・使う人・売る人」すべてが喜びを分かち合える関係性を大切にし、さらなる成長を目指して努力を続けてまいります。
最後になりますが、皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
よくあるご質問
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弊社のライターのほぼ全員が経営者スピーチの経験者です。年頭挨拶や会報誌などでリピートをいただいています。
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文の雰囲気を過去原稿に寄せた形で執筆することは可能です。内容はお客様にお教えいただくことになりますが、話が思いつかない場合はこちらでご用意することは可能です。ただ、その際内容の変更は承れません。
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3-5分程度が一般的な長さです。講演会などでは、長いと10分以上のご依頼をいただくこともあります。
まとめ
経営者スピーチのポイント
- 挨拶と感謝
来場者への感謝を述べ、来賓がいれば紹介する。 - 経済状況の説明
規模感を聞き手に合わせて調整し、大きすぎる話題は避ける。 - 所属団体の状況と目標
事業内容や改善点、具体的な数値目標を述べる。 - これからの展望
理念や意気込みなど抽象的な方向性を示す。 - 結びの挨拶
簡潔に締める。
補足的なポイント
- スピーチは組織のビジョン共有の場として活用する。
- 前年の業績や状況に合わせて内容やトーンを調整する。
- 「我々」「一緒に」などの言葉で一体感を醸成する。
- 長すぎない(5分以内・800〜1000字程度)構成にする。
- 業界や団体の特性に合わせて語り口を工夫する。
これらを抑えておけば問題なく経営者の年頭挨拶原稿は書けるでしょう。
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